ホーム  →  代表からのご挨拶

代表からのご挨拶

 

マルチリンガル・エキスパート養成プログラム(MLE)
運営協議会議長 竹村 景子

 マルチリンガル・エキスパート養成プログラムは、200710月の大阪外国語大学との統合により、国立総合大学のなかで外国語学部を有する唯一の存在となった大阪大学にしか出来ない「特色ある学部・大学院教育」を実現する一環として、文系理系部局がそれぞれの専門分野の授業を提供し合うことをとおして、プログラムを受講する学生を、世界の言語とその地域社会に関する専門的知識と文系諸学の専門的な方法論の両方を身につけた有為な人材へと、換言すれば多言語・多文化に精通し、現代世界の喫緊の課題に取り組む専門的な知識を備えたグローバルに活躍できる人材へと育成することを目指した部局横断的な教育プログラムです。

  1. 外国語学部の各専攻語の学生が、「文学部」、「人間科学部」、「法学部」、「経済学部」、「理学部」、「工学部」、「数理・データ科学教育研究センター(MMDS)」の専門教育レベルの授業を体系的に学修するプログラムとして、現在は、「人文学(グローバル・アジア・スタディーズとグローバル・ユーロ・スタディーズ)」、「人間科学(共生の生態)」、「法学・政治学」、「経済学・経営学」、「理学」、「工学」、および「数理・データサイエンス・AI」の8つのプログラムが実施されています。2024年度からは、基礎工学部から「基礎工学」が新規開設されます。

  2. 2018年度からは、上記8つが大学院プログラムとしても運用され、「文学研究科」、「人文学研究科(外国学専攻)」、「人間科学研究科」、「法学研究科」、「経済学研究科」、「工学研究科」、「国際公共政策研究科」の大学院生は、これらを大阪大学大学院副専攻プログラムとして履修することが可能になります。また、大学院プログラムでも、外国学専攻が開設する「言語文化学」プログラムの履修対象を全学の大学院生(自専攻・研究科は履修できない)とする「全学展開」を実施し、これにより、全学の大学院生が多様な言語教育科目と各研究科における専門教育科目を並行して履修することが可能となりました。

  3. 外国語学部が開設するプログラムも、履修対象者を全学の学部生とする「全学展開」としました。多様な言語教育科目と各学部における専門教育科目を並行して履修することが可能となりました。外国語学部が開設する専門教育レベルの語学等の授業を体系的に学修するプログラムとして、レギュラープログラムの「英語・英米文化学」とショートプログラムの「インドネシア語・インドネシア研究」、「ベトナム語・東南アジア研究」、「ウルドゥー語・南アジア地域文化研究」、「スワヒリ語・アフリカ研究」、「デンマーク語・北欧研究」、「イタリア語・イタリア文化学」、「スペイン語・スペイン文化学」、「ポルトガル語・ポルトガル語圏文化学」の9つのプログラムが実施されています。2024年度からは、ハンガリー語から「ハンガリー語・ハンガリー研究」が新規開設されます。

     上記のほかに、MLEの一環として、

  4. Academic English Support Deskプログラムでは、大阪大学に所属する学生(学部生・大学院生)と教職員(教員・研究員・職員)を対象に、国際学会を念頭に置いた英語プレゼンテーションの個人指導、英文論文執筆サポート、各種検定試験対策指導や、国際学会での発表前後、質疑応答などの場面を想定した会話練習といった、受講者の研究活動をサポートする英語指導を吹田キャンパスで行っています。経験豊富で気さくな講師による本プログラムは、平成27年の試験運用経て平成28年に本格的に運用を開始して以降、多くの方に受講いただいており、好評を得ています。

    大阪大学では学部レベルの副専攻プログラム制度が存在しませんが、このMLEは事実上、文系理系部局間の学部レベルの副専攻プログラムとして機能していると思います。文系理系を問わず、学部レベルの副専攻プログラム制度が導入される先駆けとしてこのマルチリンガル・エキスパート養成プログラムが位置づけられることを期待すると同時に、大阪大学全体に多言語・多文化理解の輪が広がり、真の意味でのグローバル人材を養成する環境が整うことを祈念します。